建築デザイナーはいつもそれら「クラフト」を求めていると思います。一方で建築では製品の「品質、耐久性」が求められるため、この両者は相反するものになってしまいがちです。
「BYC CTシリーズ」は、コンクリートのきめ細やかでフラットな質感や、一つ一つに生まれる自然な風合いの個体差があります。そして、高品質なプレキャストコンクリートでもあるため、相反する要求を同時に満たしてくれます。
ディテールは決して媚びずに、余計な補修や整形を施さず、型枠から外したそのままの姿を保持しています。
厚さの異なる同一サイズのタイルで規格化し、貼る・積む・立てる、など自由な発想で建築空間に豊かさを与えてくれるものとして開発しました。

コンクリートのプレキャスト製品を作る際に、どうしても出てしまう余剰コンクリート。
これまでフジプレコンでは、この余剰コンクリートを埋め立てや粉砕処理によって処分してきました。
この余剰コンクリートから、素材としての魅力を引き出せる製品は作れないか? という発想から、BYCは誕生しました。


余剰コンクリートが発生すると、すぐにタイル用の型枠に流し込まれ、職人の手で一つ一つ成形されます。
一般的な建材では気泡や角の欠けは嫌われ、補修や面取りが施されることが多いですが、BYCでは一切の処理を行いません。
素材のゆらぎを個性として、あえてそのまま残しています。
そんなクラフト感を大切にしつつも、素材には60N/㎟の高強度コンクリートが使われ、風合いと耐久性の両立を実現しています。
コンクリートそのものの素材感を活かし、余計な装飾はせず、建築家やデザイナーが想像力を広げることができる「余白」を持ったマテリアルです。
単なる再利用にとどまらず、コンクリート素材のさらなる可能性を探ることができる、そんな建材になっています。
これまで、出るのが当たり前として捨てられてきた余剰コンクリート。
一度練ったら、余剰が出てもすぐ固まってしまう。そんなコンクリート素材に、私たちは新たな居場所を与えたいと考えました。
BYCは、余剰コンクリートを捨てることなく、保管ができる建材へと生まれ変わらせたプロダクトです。
ただ再利用するのではなく、素材の個性に向き合いながら、コンクリートの新たな可能性をかたちにしていくことで、持続的な利用を目指しています。
私たちは長年、鉄道や高速道路といった社会インフラを支えるコンクリート製品を作ってきました。
製造過程で生まれる余剰コンクリートを前向きに捉え直し、価値ある建材として再構築したのがBYCです。
単なるリサイクルにとどまらず、職人の手と技術、そして、使い手の視点を繋ぐことで、
資源循環のあり方に新しい選択肢を加えていけたらと考えています。
本来、コンクリートは建築の骨格として、プレキャストコンクリートは側溝などの工業製品として使用されています。
一方で、現代の建築やインテリアでは、コンクリートやモルタルは意匠素材として捉えられています。
クラフトの性質も持ち合わせている工業製品。手作りの良さと均質な製品の絶妙なバランス。
あるようで無かった美しいプロダクトができました。